ルーツ6
父は、夕刻、まだ別れがたく、もう少し一緒に居たいと伝える私に、
『大切な家族がいるんやから、早く帰って、いつも通り、夕飯をしたれ』
と、半ば無理矢理手を引いて駅に連れていき、切符を買ってくれた
『ありがとうな!お父さん、何もしてやれんかったのに、会いに来てくれて…
幸せな一日やった
今日頂いた宝物を胸に、一生、生きていけるわ!』
母との約束で、父と会うのは一度きりの条件である事は、わざわざ言わずとも察してくれていた父であった
『もう、二度と…ここには来たらあかん
今ある幸せを大切にするんやで』
ごめん
ごめん
ほんまは、Jr.達を連れて会ってほしいんや
ほんまは、私がまたお父さんに会いにきて、もっと話したいんや
そんな気持ちを呑み込む事だけに必死で、
『うん、ありがとう』
しか言えなかった
『さぁ…はよ帰れ』
笑顔で私を改札に押す父は、抱き合う時間すら作らないように、
私から離れ、振り向きもせず、何の未練もないかのようにスタスタ歩いていく
名残惜しそうに改札の向こうから、愛しく見つめ続ける私になど、もう用がないのかもしれない
どうしようもない寂しさに立ち尽くし、
父の背中が、雑踏に見え隠れしている間に、駆け寄りたい衝動とも戦っていた私の目に映ったものは…
7~最終章~へ続く
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『大切な家族がいるんやから、早く帰って、いつも通り、夕飯をしたれ』
と、半ば無理矢理手を引いて駅に連れていき、切符を買ってくれた
『ありがとうな!お父さん、何もしてやれんかったのに、会いに来てくれて…
幸せな一日やった
今日頂いた宝物を胸に、一生、生きていけるわ!』
母との約束で、父と会うのは一度きりの条件である事は、わざわざ言わずとも察してくれていた父であった
『もう、二度と…ここには来たらあかん
今ある幸せを大切にするんやで』
ごめん
ごめん
ほんまは、Jr.達を連れて会ってほしいんや
ほんまは、私がまたお父さんに会いにきて、もっと話したいんや
そんな気持ちを呑み込む事だけに必死で、
『うん、ありがとう』
しか言えなかった
『さぁ…はよ帰れ』
笑顔で私を改札に押す父は、抱き合う時間すら作らないように、
私から離れ、振り向きもせず、何の未練もないかのようにスタスタ歩いていく
名残惜しそうに改札の向こうから、愛しく見つめ続ける私になど、もう用がないのかもしれない
どうしようもない寂しさに立ち尽くし、
父の背中が、雑踏に見え隠れしている間に、駆け寄りたい衝動とも戦っていた私の目に映ったものは…
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2012-09-14 :
風俗 :
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プロフィール
Author:姫路 巨乳 人妻 風俗嬢 ひとみの日記
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